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AIと著作権に関する法的論点を徹底解説 ― 「AIと著作権」連載シリーズ目次

アバター画像 柿沼太一

連載:AIと著作権 ― 実務に効く連載シリーズ

 生成AIの登場により、AIと著作権の論点は新たな展開を迎えています。STORIA法律事務所では、AI開発者・AIサービス提供者・AI利用者それぞれが直面する法的論点を、体系的かつ平易な言葉で18回にわたって解説しました。
 本ページでは、その連載記事を一覧形式でご紹介します。関心のあるテーマからぜひお読みください。


  1. 第1回 プレイヤー・フェーズ・提供形態による法的整理
     AIと著作権を取り巻く法的問題は、誰が関与するか(プレイヤー)、どの段階か(開発・学習・生成・利用)、そしてどのような形で提供されるか(オンプレ型・クラウド型など)によって様相が異なります。本稿では、今後の議論をスムーズに進めるためのフレームワークとして、これら三つの切り口から法的論点を整理します。

  2. 第2回 AI学習段階での著作物利用はどこまで許されるか?──著作権法第30条の4の射程
     AIモデルの開発・学習段階で、著作物をどのように利用することが可能なのか。この問いに対し、著作権法第30条の4の解釈について文化庁の見解、さらには実務的なグレーゾーンも踏まえて、企業や開発者が取るべき判断の指針を示します。

  3. 第3回 学習用データとして“何を使ってはいけないか”を見極める~学習対象の観点からの検討~
     AI学習に用いる素材として、どのような著作物が「使ってはいけないもの」に該当するのか。学習対象という切り口で、AI学習の限界について検討します。特に近時よく問題となっている、報道機関がウェブ上で公開している記事のクローリングや学習への利用について詳細に検討しました。

  4. 第4回 海賊版や学習禁止表示がされている著作物をAI学習に利用することができるか
     ウェブ上のデータの中には、権利者が明示的に「学習禁止」と表示しているケースや、そもそも違法にアップロードされたコンテンツが多数存在します。こうした著作物をAIに学習させる行為は違法となるのかについて「考え方」をベースに検討しました。

  5. 第5回 開発・学習段階での著作権侵害行為が発生した場合、侵害者はどのような責任を負うか
     AI開発者が、学習段階で著作権行為を行った場合、侵害者は具体的にどのような責任を負うのか。損害賠償義務に加えて、差止請求(著作権法112条1項)、必要措置請求(同条2項)としどのような責任を負うかはAI開発者のビジネスや研究にとって非常に重要な影響を及ぼします。

  6. 第6回 生成・利用段階では何が問題になるのか?
     生成AIがアウトプット(AI生成物)を生成し、AI利用者がそれを利用・配信する段階では、著作権法上の新たな問題が浮上します。本稿では、生成物が既存の著作物に類似する場合や、引用・翻案とみなされる可能性がある場合に、どのような責任が発生しうるのかを検討するためのパターンをまず分類します。

  7. 第7回 類似AI生成物の「生成」における依拠性をどのように考えるか~複雑な論点を解きほぐす~
     AIが生成した画像・文章が既存の著作物に類似していた場合、その「生成」行為は著作権侵害と評価されるのかという問いに対する核心となるのが「依拠性」の有無です。本稿では、依拠性の理論的構造を丁寧に解説するとともに、AI利用者の行為や、AIの学習用データ内に著作物が含まれていることを根拠に依拠性が認められるかについて掘り下げます。

  8. 第8回 類似AI生成物の「生成」における行為主体性~ロクラクⅡ事件判決をベースに徹底的に考える~
     依拠性や類似性を満たし著作権侵害が成立した場合、当該著作権侵害の行為主体が誰かが問題となります。本稿では、著作権侵害における行為主体性について判断したロクラクⅡ事件の最高裁判決をもとに、生成AIにおいてどのような場合にAI開発者の行為主体性が認めれるかの基準について検討します。

  9. 第9回 生成された類似AI生成物を利用すると著作権侵害?
     AI利用者が生成AIサービスを用いてコンテンツを作成した上で「利用」した場合、著作権侵害に該当するのか。この論点はユーザー自身の責任という意味でももちろん重要ですし、AI開発者にとっても間接的には重要な論点となります。そこで、AI利用者がどのような場合に著作権侵害の責任を負うかについて、依拠性や行為主体性、故意・過失という各要件について検討しました。

  10. 第10回 類似AI生成物の「送信」は誰の責任?──クラウド提供型AIにおける著作権侵害リスクを検証する
     クラウド型のAIサービスにおいては、生成AIが生成した画像や文章をAI開発者・AI提供者がAI利用者に送信するプロセスが行われますが、当該「送信」について誰がどのような責任を負う可能性があるのでしょうか。この点は「送信」に先立つ「生成」の行為主体性が大きく影響します。

  11. 第11回 生成・利用段階で著作権侵害行為が認められた場合、権利者は何を請求できるのか
     生成・利用段階における各行為(「生成」「送信」「利用」)が著作権侵害に該当した場合、著作権者はどのような法的請求を行うことができるのか。本稿では、差止請求、損害賠償請求など、著作権法に基づく主要な請求類型を整理するとともに、各請求が成立するための要件や立証の難しさを実務目線で解説します。

  12. 第12回 RAG・ロングコンテクストLLMと著作権侵害(前編)
     Retrieval-Augmented Generation(RAG)とは、大量の外部文書群をDBとして用意し、当該DBを利用してLLMからの出力に正確性や根拠付を与えるための仕組みです。本稿では、「RAGにおいて著作権侵害が問題となる著作物の利用行為」と、RAGの分類についてまず網羅的に説明します。

  13. 第13回 RAG・ロングコンテクストLLMと著作権侵害(後編)
     後編では、前編で分類した各タイプのRAGについて、蓄積・入力・出力といった各プロセスに焦点を当て、これらが著作権法上どのように扱われるかについて検討します。

  14. 第14回 RAGシステムのための既存著作物の蓄積・入力などは著作権侵害になるのか
     RAGの各タイプに関する著作権侵害の有無について、「考え方」におけるRAGについての記載も引用しながら細かく検討・説明します。特に著作権法30条の4以外の、情報解析に関する権利制限規定である47条の5の要件について文言の解釈から、実際に同条が適用される範囲まで解説をしました。

  15. 第15回 RAGとAI利用者の責任~入力・送信・出力のそれぞれで何が問われるか?~
     本稿でも様々なタイプのRAGについて引き続き解説します。たとえば、AI提供者が既存著作物を収集してRAGに用いるベクトルDBを作成し、当該ベクトルDBをAI利用者に提供、AI利用者は当該ベクトルDBを用いてRAGシステムを構築するタイプのRAGです。このタイプのRAGはRAGにおける一連の流れ(既存著作物の収集・蓄積→既存著作物の入力→AI生成物の生成)をAI提供者とAI利用者が分担して行うタイプと言えます。

  16. 第16回 AI生成物に著作権はあるのか?~著作物性と“創作的寄与”の最新実務論~
     AIが自動生成した画像・文章・音声などに「著作物性」が認められるかという問題は、生成AI時代における非常に重要な論点の一つです。本稿では、「創作的寄与」の概念を中心に、判例や「考え方」を踏まえて、AI生成物の法的位置付けを探ります。また、ユーザーの操作内容やAIへの指示内容が著作物性に影響を与えるか、企業が生成物の権利をどのように確保し、保護すべきかといった観点も検討します。

  17. 第17回 その行為に日本著作権法は適用されるか~準拠法の問題~
     AI学習やAI生成物の生成に利用されるサーバーが海外に設置されているなど、グローバル環境下での生成AI利用において、日本の著作権法が適用されるかどうかは極めて重要な問題です。本稿では、「属地主義」や「準拠法」など、国際私法の基本原則に基づき、どの行為にどの国の著作権法が適用されるかを検討します。

  18. 第18回 で、結局何に気をつければよいのか~AI開発者・AI提供者・AI利用者それぞれの注意事項~
     本連載の最終回では、AI開発者・サービス提供者・利用者それぞれの立場から、生成AIと著作権に関して特に注意すべき点を総まとめとして整理します。学習段階、生成段階、利用段階の各フェーズに応じた典型的なリスクと、そのリスクにどう対応すべきかを網羅的に取り上げます。

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※ 対話形式の音声はNotebookLMを利用して自動的に作成したものです。正確な内容は記事本文をご参照ください。

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