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堀北真希と山本耕史夫妻の新居探しをツイートするSNS炎上社員を生まないための社内研修ガイド

杉浦健二 杉浦健二

新年早々、不動産会社従業員によるツイッターやらかし事件が話題になっております。

「新婚の堀北真希と山本耕史夫婦に接客し35万円の賃貸物件を紹介した」。不動産仲介大手の女性従業員が自身のプライベートなツイッターで明かしたため、「プライバシーの侵害だろ!」などと「大炎上」する騒ぎが起きた。(JCASTNEWS

http://goo.gl/qCKE9Z

http://goo.gl/qCKE9Z

ツイッターなどのSNSで炎上投稿してしまう従業員を生まないために、経営者としては普段からどのような対策をしておくべきなのでしょうか。

■従業員によるSNS炎上事件が後を絶たない

従業員による軽率なツイートで、会社側が謝罪に追い込まれる事件が後を絶ちません。
2011年にはホテルのアルバイト学生が、プロサッカー選手の稲本潤一とモデルの田中美保が来店したことをツイートし炎上。ホテルが謝罪に追い込まれました(後に二人は結婚)。

-ウェスティンホテル東京がTwitterでの顧客情報流出を謝罪――「再発防止に努める」(はてなニュース

当時、二人の交際は知られていなかったことから、瞬く間にトップニュースとして拡散。
同時に、宿泊客のプライバシーを漏らしたアルバイト従業員への批判が拡大します。
アルバイト従業員は匿名でツイッターをしていたにもかかわらず、過去の投稿内容から実名と顔写真が流出。通っている大学や高校まで明らかにされる「祭り」となりました。

また2013年には飲食チェーンのブロンコビリーで、アルバイト店員がふざけて冷蔵庫に入った写真をツイッタ―に投稿し炎上。

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http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1308/12/news082.htmlより

ブロンコビリー社は謝罪し、最終的に当該店舗を閉鎖する事態となりました。

ブロンコビリーは、企業理念にある「おいしい料理と気持ちよいサービス、清潔で楽しい店づくりを通じて心地よいひとときを提供する」使命と責任を重く鑑みて、「このまま営業再開することは許されない」と判断。臨時取締役会において退店を決定した。なお、不適切な行為を行ったアルバイト従業員に対しては、損害賠償の請求についても検討していると報告している。
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1308/12/news082.html

アルバイト従業員によるツイッター炎上→会社謝罪の流れは、当時「バイトテロ」と称され話題になりました。
ほかにも、病院の従業員がJリーグ鹿島アントラーズの選手のカルテについてツイートし炎上した事件、りそな銀行に関ジャニ∞のメンバーが来店した情報を従業員の家族がツイートし炎上した事件など、きりがない状況です。

■なぜSNS炎上は起こるのか

ネット炎上がなぜ恐ろしいかというと

1)簡単に急速に拡散する(拡散性)
2)一度拡散すると、消去はほぼ不可能(削除困難)
3)本名や住居などプライバシーが特定され晒される(被害甚大)

から。特にプライバシーが半永久的に晒され続ける点は、ネットと実社会が切り離せなくなってる昨今では、将来にわたって回復困難なダメージを被るものです。
にもかかわらず、なぜSNS炎上が起き続けるのかというと
ネットの仕組みに対する無理解と想像力の欠如
これに尽きます。
窃盗や詐欺だと、してはいけない犯罪だってのが生来的に分かるのですが、勤務先に来た他人(とりわけ有名人)のプライバシーをフォロワー数も少ない自分がツイッターでつぶやいてもどうせ友達しか見てないだろうとか考えるのですがそんな訳ありません。
ネットには、他人のツイッターやらかし(いわゆるバカッター)を待ち続けているそれはそれは暇な人たちがたくさんいて、今日も誰かがやらかさないかとネタを漁り続けています。
フォロワーの数にかかわらず、自分のツイートは全世界の人から閲覧可能であるという自覚を持つことが肝要なのですね(ツイート非公開にしていない限り)。

ちなみにミニストップでアイスクリーム用冷凍庫に入った男性の姿がツイッターに投稿された件で、炎上初期、投稿者は

「なんか俺人気物になった気分笑」
「昨日◯◯の画像載したやんか?あの画像でなんか暇人たちががちぎれして今めっちゃ広まってる笑」
「別にこれぐらいでどーもならんで?笑なに大騒ぎしてんの?」
「頼むし絡まんといて暇人」
http://www.sankeibiz.jp/compliance/news/130811/cpb1308110801000-n1.htm

とツイートを続けており事の重大さを全く分かっていません。
炎上当初は自分のツイートが世間から注目されてあたかも人気者になった気分になり、浮かれてしまいます(特に芸能人を見た場合など)。その後、最悪の事態が待っていることは全く予想していません。個人は特定され、自分の本名と写真どころか勤務先や家族友人まで半永久的に晒され続けます。
ネット上では、もはや匿名性なんてないことを強く自覚すべきです。

■会社側が行う研修では、悲惨なネット炎上事例を紹介する

というわけで、従業員によるSNS炎上を防止したい会社側としては、入社時にSNS使用に関する誓約書を書かせたり、形だけの個人情報保護研修をしてもあまり効果的ではなくて(もちろんこれらにも一定の意味はありますが)、

これまでに顧客の個人情報をツイートした従業員が、いかに炎上し、いかに個人情報を晒されて悲惨な末路を辿ったかという数多くの実例を見せる

べきなのです。運転免許更新の講習で、交通事故の悲惨なビデオを見せ続けられるあれと同じように。

「顧客のプライバシーをツイートすると会社は大損害を受けるから絶対してはダメ」といくら言っても新入社員やアルバイト従業員の心には刺さりづらくて、その従業員自身が致命的なダメージが受けるのだと理解させることが必要です。
私が普段やってるネット炎上の社員向け研修とかでも、その従業員本人や家族友人がその後どんな目にあったか、損害賠償いくら請求されたのかとかの生々しい実例をひたすら紹介する。こちらの方が効くし聞いてくれます。当事務所では従業員によるネット炎上を防ぐ社内セミナーを随時お受けしております
経営者としては会社と従業員を守るために、ちょっとしたウケ狙いのSNS投稿が悲惨な結果を招いたような、ネット炎上の実例を社内で共有する責務があると思う次第なのでした。
(本記事の続き)→センチュリー21とパキラハウスの謝罪文に学ぶ、炎上事件を更に炎上させない謝罪文のポイント
弁護士杉浦健二

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