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コンテンツビジネス法務(知的財産権、著作権) インターネット

大事なことなので何度でも言います。一定の要件を満たせば無断引用は適法です。

杉浦健二 杉浦健二

「無断引用禁止」と書かれているサイトを見かけますが、他人のサイトの文章を無断で引用することはいかなる場合でも違法なのでしょうか。

■著作権者の許諾があれば適法である

まず大前提として、他人のサイトの文章やイラストを使用する場合、著作権者から使用許諾が得られれば適法になります。

文章やイラストの場合はその作成者、写真の場合は撮影者が著作権者です。

最近インスタなどで、好きな芸能人の写真が掲載されている雑誌をそのまま撮影した写真を多数載せて「無断転載禁止!」と書かれているものを見ますがこれは色々おかしいわけです。
雑誌掲載写真の著作権は通常、出版社か撮影をしたカメラマン(以下「出版者等」)が有しており、当該インスタグラマーは出版社等から許諾を得ているわけもなく、そもそも違法アップロードにあたります。もしこの違法インスタに掲載された写真の使用許諾を得ようとすれば、雑誌をそのまま撮影した写真に通常創作性は認められないでしょうから、当該インスタグラマーではなく著作権者である出版社等から許諾を得る必要があります。
ただし雑誌を撮影した写真をインスタグラマーが加工して更に創作性を付していれば、新たな作品を生み出したと評価され得る(当該インスタグラマーも著作権者となる)ため、出版社に加えて当該インスタグラマーからも使用許諾を得る必要が生じます(二次的著作物)。

※写真に映っている方が芸能人の場合はパブリシティ権、一般人の場合は肖像権も問題になりますがここでは割愛します

■一定の要件を満たした無断引用は適法である!

著作権者から使用許諾が得られない場合でも、一定の要件を満たした無断引用は適法です。この場合にいう「引用」とは著作権法上の引用(著作権法32条1項)のことで、具体的には以下の要件を満たす場合を指します。

1 本文と引用部分の明瞭区分
2 本文(自分の記事)がメインで、引用部分がサブ(主従関係)
3 引用の必然性がある
4 改変しない
5 出典を明記する

上記の要件を満たす場合、著作権者の許諾は不要です。
サイト上でどれだけ「無断引用禁止」と書かれていようが、上記引用要件を満たす限りは無断で使用可能なのです。
大事なことなので何度でも言います。著作権法32条1項の要件を満たす限り、無断引用は適法です。

以上を図にするとこうなります。

*「引用」(著作権法32条1項)以外にも権利制限規定(著作権法30条以下)は存在しますが、ここでは割愛します。
この図の左側のルート、つまり無断使用で引用(著作権法32条1項)にも当たらない場合が著作権法違反となります。
ただし国や地方公共団体が作成した「個人情報保護ガイドライン」や「労働経済白書」などの広報資料や調査統計資料は、特に禁止する旨の表示がない限り、説明の材料として転載が認められています(著作権法32条2項)(※)。

以上の要件を満たさない無断使用が、パクリ、盗用、剽窃(ひょうせつ)と呼ばれます。

著作権法上の引用は、そもそも他人の著作物を無断で使用できる要件について定めた規定ですので、サイト上で「無断引用禁止」と書くことは少なくとも法的には無意味です。引用要件を満たせば「無断引用禁止」と書かれていても無断で適法に引用できます。大事なことなので3回言いました。(弁護士杉浦健二)

 

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