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キンコン西野さんは絵本をタダで公開したけどタダを強要すると下請法違反になるという話

杉浦健二 杉浦健二


【産業用AI開発の知財・法務セミナーのご案内】

産業用AI開発の知財・法務セミナーを2018年5月9日に東京大手町で開催いたします。
経済産業省のAI・データ契約ガイドライン検討会委員も務めた柿沼による、実務にすぐに役立つセミナーです。

過去の参加者の声や申込、詳細はこちらのページからどうぞ!

 

STORIA法律事務所の弁護士杉浦です。
芸人で絵本作家のキングコング西野さんが、23万部を突破した絵本「えんとつ町のプペル」をネット上で無料公開したことが話題です。

(外部リンク)お金の奴隷解放宣言。/ キングコング 西野 公式ブログ

 

一方で、今回の無料公開はさまざまな余波も招いている様子。

 

西野さんがそれまで税込2160円で販売していた絵本をタダで公開したことに乗じて、クリエイターにタダで発注する業者も出てきたようです。


クリエイターに対して通常より著しく低い代金額で発注した場合、下請法に抵触する可能性があります。

■下請法の規制

下請法(下請代金支払遅延等防止法)は

(1)
資本金5千万1円以上の法人事業者が、資本金5千万円以下の法人または個人事業者に対して または
資本金1千万1円以上の法人事業者が、資本金1千万円以下の法人または個人事業者に対して

(2)
カタログやチラシ原稿,イラストポスター、映画アニメ、設計図など一定のコンテンツ作成を委託する場合(情報成果物作成委託)

について、買いたたきや代金減額を規制しています。

下請法については、中小企業庁・公正取引委員会作成のポイント解説下請法が大変良くまとまっています。

図1
ポイント解説下請法P1図より https://www.jftc.go.jp/houdou/panfu.files/pointkaisetsu.pdf

※同じ情報成果物作成委託でも、プログラムの作成委託の場合は上記と異なる資本金要件が適用されます。上記PDFのP1参照

上記(1)(2)の条件にあてはまる場合、
通常支払われる対価より著しく低い代金額を不当に定めたり(買いたたき)、
発注時の代金額を正当な理由なく減額(代金減額)
すると下請法違反となります。

冒頭のツイートのように代金額タダで情報成果物の制作委託を発注したような場合は、買いたたきとして下請法違反となる可能性が高いです。

キングコングの西野亮廣さんがタダで絵本を公開したんだからあなただってタダでできるよね?社会貢献したいよね?って要求するのはビジネス倫理上も人としてもアウトだし、下請法にも違反する可能性が高いわけです。

■平成27年度の下請法違反による指導件数は過去最多

下請法違反の事実が確認された場合は公正取引委員会の指導対象となり、より悪質な場合は勧告や会社名の公表、刑事罰の対象となります。

下請法違反による平成27年度の指導件数は過去最多の5,980件でした公正取引委員会資料)。

当事務所が支援しているベンチャー企業やIT企業は、魅力的なコンテンツを持っている反面で、資金力や法律知識が不十分である等の理由により、発注先からの不当な買いたたきや代金減額のリスクに常にさらされています。下請法を十分に理解して、自社のコンテンツの買いたたき要請に負けない知識と体制を整えておきましょう(弁護士杉浦健二

 

→STORIA法律事務所へのお問い合わせやご相談はこちらのフォームかお電話(神戸市・TEL078-391-0232)から
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経済産業省のAI・データ契約ガイドライン検討会委員も務めた柿沼による、実務にすぐに役立つセミナーです。
プログラム(予定)は以下のとおりです。
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【プログラムの内容(予定)】
■ プログラムの内容(予定)
第1 AIと法律・知財に関する問題領域の概観~AIの適法な生成、保護、活用、法的責任~
第2 産業用AIの開発に関する法律問題
1 様々なデータ(個人情報を含むデータ、著作権を含むデータ、肖像権を含むデータなど)を利用してデータセットや学習済みモデルを生成する場合の問題点
2 産業用AIの開発と通常のシステム開発の相違点
3 ユーザが提供した生データを用いてAIベンダが開発した学習済みモデルは誰がどのような権利を持つのか。
4 AI開発における「材料・中間成果物・成果物」とそれらに関する「知的財産・知的財産権」の整理
5 AI開発契約における5つの交渉・合意ポイント
(1)プロセス・契約を分割する
(2)開発契約の内容を工夫する
(3)用語の定義を慎重にすりあわせる
(4)材料・中間成果物・成果物について、知的財産権帰属・利用条件について契約で何も定めていなかったらどうなるか、それをどのように契約で修正するか・放置するかを知っておく
(5)「権利帰属」にこだわらず「利用条件」で「実」をとる
6 具体的なAI開発モデル契約の簡単なご紹介
第3 AIの保護に関する法律問題
1 学習用データセット・学習済みモデルを保護する3つの方法(技術、契約、法律)
2 学習用データセットの保護
3 学習済みモデルの保護
(1) AIoTの場合
(2) AIaaSの場合
第4 AI活用による法的責任について
1 基本的な考え方
(1) AIが何らかの機器に搭載されて提供されている場合
(2) AIが純粋なプログラムとして提供されている場合
2 具体例
(1) コンテンツ生成AIが既存コンテンツと同一コンテンツを「偶然」生成したら
(2) 医療用AIが判断ミスをしたら
第5 質疑応答