ブログ/ BLOG

  1. ホーム
  2. ブログ
  3. 弁護士の日常
  4. 「○○専門」が本当に専門家とは限らない|知的財産・IT・人工知能・ベンチャービジネスの法律相談なら【…

弁護士の日常

「○○専門」が本当に専門家とは限らない

アバター画像 杉浦健二

2015-06-25 12.32.41
先日、交通事故の交渉をご依頼頂いた方から、
嬉しいメッセージを頂きましたのでご紹介。

■杉浦先生に依頼したこと:交通事故の示談交渉

▼依頼したきっかけ:
知人に紹介された交通事故専門と謳う弁護士が、交渉半ばで何の連絡もなく所属事務所を退職。

本格的な示談交渉に入ってから1か月強、何の音沙汰もなく不安に思ったので連絡してみたら、後任との引継ぎもままならぬ状態で退職していたことが分かり、不信感を一気に募らせてしまった。

このままでは、自分に不利な示談交渉結果となるのではないかと思い、弁護士の変更を決断。
杉浦弁護士には別の事件や相談でお世話になったこともあり、この人にすべてを賭けてみようと思った。
過去に何度かお世話になったことがあるのだが、そのときの決断の速さやアドバイスの的確さを知っていたので、不安な点は何もなかった。
迅速かつ丁寧な処理、そして何より「交渉力」は以前の弁護士と比べものにならなかった。

○○専門と謳う弁護士は多い。
弁護士に限らずたくさんの士業の方が○○専門と謳っているが、いざ相談をしてみると腑に落ちない点が多かった。
今回の案件は、当方過失なしの「もらい事故」だったため、自身が加入する保険会社に示談交渉を委任することができず、事故当初はつらい思いをしました。
1度目の弁護士(保険会社提携)は、こちらの要望を言っても第一声のほとんどが
「できない、無理」
ばかりで信頼関係を築くことができず、2度目の弁護士はとにかく処理が遅い、発言が常に弱気、極めつけは何の連絡もなく所属事務所を退職。自身に過失がない事件で、どうしてこんなにつらい思いをしなければならないのか、と無気力になっていました。

最後の切り札として、杉浦弁護士にお願いしましたが、予想以上の結果が得られて本当に良かったと思っています。

今回のご感想をいただいて、気付いたことが2つあります。
1「○○専門」が本当に専門家とは限らない
2ときには他の弁護士の意見も聞いてみる

■1「○○専門」が本当に専門家とは限らない

「○○専門」
「得意分野は▲▲」
と掲げている、弁護士を含む士業はたくさんいます。
ですが
○○専門=常によい結果を導ける、とは限りません。
まだ駆け出しでこれといった得意分野がないので、とりあえず「○○専門」と名乗ってみた、という例もあるのが実際のところです。
▼身近に相談できる弁護士を確保しておく
特定の分野について、専門知識や経験があるのは無論望ましいことなのですが、広告、ウェブサイトの記載だけでは本当に依頼者のためになる専門知識や経験があるのか、なかなか分かりません。
弁護士等の専門家を選ぶ場合は、実際の実績や、未知の分野でもきちんと勉強する姿勢、解決に取り組むスタンス、そして人柄なども重視した方がよいでしょう。
そのためには、やはり普段から身近に相談できる弁護士を見つけておいた方がよいと思います。
身近な弁護士が今回相談したい分野の専門でなくても、他の専門の方を紹介してもらえるはずです。私ならそうします。

■2 ときには他の弁護士の意見も聞いてみる

今回感想を下さったご依頼者は、やむを得ない理由から 弁護士を2回も変更せざるを得なくなられました(本当に大変だったと思います)
「同じ法律の問題なんだし、どの弁護士に聞いても同じ答えなのでは」
「気にするべきなのは、相性ぐらいじゃないの」
と思われる方もいるかもしれません。

が、別の弁護士に聞けば、回答内容も変わる場合があります。
たとえば「行列のできる法律相談所」でも、 弁護士の間で意見が割れていますよね。
(※ただあの番組の設問は、与えられる前提事実が少ないため 結論が変わるのはやむを得ないのです。
意見が割れないと番組として成立しないので、 あえて前提事実を少なくしているわけですね)

裁判でも、第一審の裁判官の書いた判決が、 第二審でひっくり返ることもあります。
経験や専門知識のみならず、ご相談者から聞き取る内容、さらに問題の捉え方によって、
個々の弁護士により 回答内容や結論が変わることも、実はままあるのですね。
(お医者でも、ときに診断が異なる場合があるのと同じです)

どうしても回答内容に納得いかない場合や、相性が合わない場合、理由は分からないけど、何だかしっくりこない場合。
トラブル終了時の納得感をより大きくするためにも、 別の弁護士の意見(セカンドオピニオン)を得てみるのは大いにおすすめといえるのです。