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民法

消滅時効はこれだけ覚えておこう(ビジネス編)

杉浦健二 杉浦健二

P1140412ひとまずこれだけ覚えとけばOKという内容です。

■消滅時効とは

簡単にいうと、一定期間を経過するとお金を支払う義務が無くなる制度(民法166条~)。請求する立場からすれば、消滅時効が完成すると請求しても支払ってもらえなくなる可能性があります(なのでうっかりすると、せっかく仕事したのに代金取りっぱぐれたりします)。

■短期の消滅時効に注意

通常、個人間では10年、商人(会社)の場合は5年で消滅時効が完成します。ただし一定の場合は更に短期の消滅時効が定められています。
以下、代表的なものです。

【借金】
親戚や友人から借りた 10年
金融業者から借りた 5年

【ビジネス】
小売、卸売の商品代金 2年
建築工事代金 3年
運送代金 2年
病院の診療報酬 3年

【士業(報酬請求)】
弁護士 2年
司法書士、税理士、社会保険労務士(弁護士以外)10年
弁護士報酬も、請求されないまま2年粘ると消滅時効にかかるのですね。。

【残業代、家賃など】
未払の給料、残業代 2年
家賃 5年
飲食店のツケ 1年
CD、DVDなどのレンタル代金 1年
交通事故の損害賠償 3年
離婚の慰謝料 3年

特に赤字のものは思ったより早く時効が完成するため、注意を要します。

■時効の完成を阻止するためには(時効の中断)

1 裁判で請求する
訴訟を提起したり支払督促を申し立てれば、時効の進行は止まります。
2 債務を承認させる
相手に「たしかに私は100万円借りています」と認めてもらうことです。
具体的には代金の一部を支払ってもらったり(支払い義務があることを認めることになります)、債務の残高確認書を提出してもらったりします。

★急ぎの場合は、こちらから請求書を内容証明郵便で送付することで、時効の中断を「ひとまず」止められます。ただし6カ月以内に訴訟を起こす等をする必要があり、請求書を送付するだけでは完全に時効は中断しないので注意。

■時効の完成を知らずに払ってきた場合は受け取ってよい

消滅時効が完成したとしても諦めてはいけません。
相手が完成を知らずに支払ってくれば、その支払いは有効になります。消滅時効が完成しても、相手はあくまで時効を主張できる立場となるだけであって、主張するかどうかは相手の自由だからです。
完成を知らずに支払ってしまった者は「完成してたの知らなかったから返して!」とは言えなくなります。

■将来は改正の予定

なお近い将来に民法は改正が予定されているため、上記に挙げた短期消滅時効はいずれも5年に統一される可能性があります。

■回収業務は定型化×迅速対応を

ビジネス上の消滅時効は、思ったよりずっと早く完成します。
ざっくり言うなら「2年経ったら消滅する」ぐらいに考えておくのが無難でしょう。

少額かつ多数の売掛金を抱えるビジネスの場合は、支払予定日から○か月未払いなら、内容証明送付→ケース次第で支払督促や少額訴訟、と対策を定型化しておくとよいですね。
早め早めの対応が、結果的に回収コストを最小化してくれます。回収業務の定型化×迅速対応が、ポイントなのでした。