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ベンチャー企業なら必ず作成すべき創業者間契約書

複数の創業者で法人を設立する場合、将来的な株の強制買戻についての契約(創業者間契約)を締結しておかないとトラブルになることがあります。
詳細は「ベンチャーを法人化するときに創業者が必ず知っておきたい2つのこと」を参照してください。
ここでは、創業者間契約書のひな型を紹介します。
作成に関するご相談は当事務所までお問い合わせください

【注意事項】
・ 自己又は自社内でのビジネスのための利用は問題ありませんが、それ以外の態様(セミナーでの利用や第三者への頒布等)での利用を禁止します。
・ 契約書雛型についてSTORIAはいかなる保証もおこなわず、雛型の利用に関し一切の責任を負いません。
・ 雛型に関する著作権その他の一切の権利はSTORIAに帰属しており、雛型の利用の許諾はかかる権利の移転を意味するものではありません。


株式譲渡に関する覚書

●●(以下「甲」という。)及び●●(以下「乙」という。)は、甲及び乙が保有する株式会社●●(本店所在地:●●、以下「本会社」という。)の株式(以下「本件株式」という)に関し、以下のとおり合意したので、末尾記載の日付で、本件覚書を締結する。

第1条 株式譲渡

この契約書のキモとなるのは「何株を」「いくらで」強制的に買い取ることが出来るようにしておくかです。1条1項が「何株を」について規定し、2項が「いくらで」を規定しています。

1 甲乙いずれかが本会社の取締役及び従業員のいずれの地位も喪失した場合(以下「退任等」という。退任等した当事者を「退任株主」といい、残存した当事者を「残存株主」という)には、以下の(1)から(3)で定められる本会社の株式を、退任株主は残存株主からの請求に基づき、残存株主または残存株主の指定する第三者に対して譲渡する。

創業者である株主が退任するのには様々な事情があることから、3つの場合に分けて強制的に買い取れる株式数を定めています。文字だけではちょっとわかりづらいかもしれませんが、★では図で解説してあるので参考にしてください。

(1) 退任等にやむを得ない理由があると取締役会が認めた場合
 以下の数式で計算される株式数の普通株式を除き保有する全ての株式
【計算式】
 「保有株式数の10パーセント×(当該当事者が取締役または従業員として勤務した期間の日数/365日)」(ただしこの数式で計算される株式数が保有株式数の20パーセント未満の場合は保有株式数の20パーセント、保有株式数の40パーセント超の場合は保有株式数の40パーセントとする)

退任にやむを得ない事情がある場合なので、経過年数に応じて強制買い取りできる株式数を徐々に減らしています。

(2) 退任株主が本会社の競合会社を設立したり、本会社の競合会社に出資したり、本会社の競合会社に就職したり、本会社の競合会社との重要な取引を行う場合
 保有する株式の全て。

この場合は要は「裏切った」ということなので、全ての株式を強制的に買い取れるようにしています。

(3) (1)及び(2)以外の場合
 本契約締結直後の時点で、各当事者が保有する本会社の株式数の10パーセントの株式に相当する数の普通株式を除き保有する全ての株式

2 前項の場合における本件株式1株あたりの譲渡金額は、退任株主による本件株式の1株あたりの取得の金額(以下「取得単価」という)と同額、または残存株主が定める取得単価以上の価額とする。

 

強制買取価格が、買取時の株式の時価と比較してあまりに低いと高額の税金が発生します。そのため強制買取価格については柔軟に決定できるようにしています。

 

第2条 譲渡手続等

1 残存株主が退任株主に対し第1条第1項に定める本件株式の譲渡請求(以下本条において「譲渡請求」という)を行った場合には、退任株主は残存株主の指示に従い本件株式の有効な譲渡に必要な全ての手続を行うものとする。
2 残存株主が退任株主に対して譲渡請求をした場合において、退任株主が同手続に協力せず、譲渡請求から1ヶ月以内に前項に定める手続きが完了しない場合には、退任株主が譲渡請求を承諾し、かつ前項に定める手続を行ったものとみなす。
3 残存株主は第1項に定める手続の完了後14日以内に第1条第2項に定める譲渡価額を退任株主に対して支払うものとする。

第3条 有効期間

本覚書は、末尾記載の締結日に効力を発し、退任株主が本件株式を保有しなくなった日又は本会社が取引所金融商品市場に上場した日のいずれか早い日まで有効に存続する。

バイアウトされるか上場するまでこの契約が効力を有することを定めています。

第4条 譲渡禁止

本覚書の当事者は、相手方の書面による事前の同意なくして、本覚書の契約上の地位又は本覚書に基づく権利若しくは義務につき、第三者に対する譲渡、担保設定、その他の処分をしてはならないものとする。

第5条 秘密保持

本覚書の当事者は、相手方当事者の書面による事前承諾なく本覚書の存在及び内容につき第三者に開示しないものとする。

第6条 準拠法及び合意管轄

本覚書の準拠法は日本法とし、本覚書に関連して生じた紛争については、●●地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。

本覚書成立の証として、本書2通を作成し、各当事者署名又は記名捺印の上、各1通を保有する。

平成  年  月  日

甲:住所
氏名

乙:住所
氏名