トピックス/ TOPICS

  1. ホーム
  2. トピックス
  3. コンテンツを無料で適法に利用できる3つのパターン(1)CC(クリエイティブコモンズ)ライセンス|知的…
  • ベンチャー企業法務
  • IT企業法務
  • コンテンツビジネス法務(知的財産権、著作権)

コンテンツを無料で適法に利用できる3つのパターン(1)CC(クリエイティブコモンズ)ライセンス

IT系、ウェブ系のベンチャーに限らず、様々なコンテンツやサービスを発想する際に、すべてのコンテンツを1から生み出すというのはなかなか難しい面があると思います。
また、「すばらしいコンテンツに刺激を受けて、新たな創作表現を付与して創作を行う」「斬新なアイデアに接して、新たなアイデアを思いつく」のように、そもそもコンテンツというのは、先人の知恵や知的な遺産にその起源がある場合がほとんどといってもいいかもしれません。
ですので、新たにコンテンツを生み出す際に、まず「すでに存在するコンテンツを利用できないか」ということをまず考えてみるのもいいかもしれません。
ここでは、そのヒントになるかもしれない「コンテンツを無料で適法に利用できる3つのパターン」を紹介します。
その3つとは・・・

  1. CCライセンスを使いこなす
  2. 著作権法の例外規定を使う
  3. 保護期間が満了しているコンテンツを利用する

です。

それぞれかなりのボリュームがあるので、3回に分けて紹介をします。
今回はまず「1 CCライセンスを使いこなす」です。


■ CCライセンスとは

ソフトウェアの世界では、「オープンソース」という考え方があります。
これは、ソフトウェアの設計図にあたるソースコードを、インターネットなどを通じて無償で公開し、誰でもそのソフトウェアの改良、再配布が行えるようにすることを言いますが、ソフトウェア以外のコンテンツの世界でも同じようなコンセプトがあります。

それが「クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(CCライセンス)」です。

これは簡単に言うと

・ 作品を公開する作者が「この条件を守れば私の作品を自由に使って構いません。」という意思表示をするためのツールである。
・ CCライセンスを利用することで、作者は著作権を保持したまま作品を自由に流通させることができる。
・ 受け手はライセンス条件の範囲内で再配布やリミックスなどをすることができる。

というものです。
の詳細はクリエイティブ・コモンズ・ジャパン(CCJP)の「クリエイティブ・コモンズ・ライセンスとは」のページを参照してください。

現在6種類のCCライセンスがあります。

http://creativecommons.jp/licenses/より

http://creativecommons.jp/licenses/より

この6種のライセンスは、以下の4つの条件を組み合わせてできており、自由度が高いものから順に6種類あります。

http://creativecommons.jp/licenses/より

http://creativecommons.jp/licenses/より

ライセンス内容の詳細は、先ほどのページを参照していただきたいのですが、最も自由度の高い「原作者のクレジットさえ表示すれば改変も商用利用も可能」から、最も厳格な「原作者のクレジット(氏名、作品タイトルなど)を表示し、かつ非営利目的であり、そして元の作品を改変しないことが条件」までなど様々なパターンがあります。


■ CCライセンスが付与されたコンテンツを使ってみよう

CCライセンスが付与されているコンテンツをうまく使えば、新たなコンテンツを生み出すことができるかもしれません。
CCライセンス作品を検索するページがありますので、使ってみましょう。
たとえば「japan」というキーワードでCCライセンスがついている写真を検索したければ、検索窓に「japan」と入力して、検索対象として「Frickr]を選択、そのうえで「Search」をクリックしましょう。
キャプチャ18

そうすると、条件に合致した画像が沢山出てきます。
キャプチャ19

そのうちの1つをクリックしてみましょう。
この記事の冒頭部分にも使っていますが、Moyan Brennさんという写真家の方が紅葉の時期に河口湖で撮影したもののようですね。綺麗です。

右下の赤い四角で囲った部分にCCライセンスの表示があるのがわかりますね。
このライセンスはもっとも自由度の高い「表示」ライセンス(原作者のクレジット(氏名、作品タイトルなど)を表示することを主な条件とし、改変はもちろん、営利目的での二次利用も許可される最も自由度の高いCCライセンス。)です。
ですので、Moyan Brennさんのクレジットを表示すればこの作品を自由に利用できるということになります。


■ CCライセンスを付してコンテンツを公開してみよう

また、自らCCライセンスを付してコンテンツを公開することもできます。
このページを使って簡単にWEBページに貼り付けるためのCCライセンスを作成することができます。

自分の作った料理写真をCCライセンスの下で公開してみました。
料理写真
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
この 作品 は クリエイティブ・コモンズ 表示 4.0 国際 ライセンスの下に提供されています。

ちなみに中央の写真は「サンマのベッカフィーク」です。本来はイワシで作る料理ですが、サンマでもとてもおいしいです。
3枚に下ろしたサンマに、レモンやナッツ、ドライフルーツ入った特製パン粉とエクストラオリーブバージンオイルをたっぷりかけてオーブンで焼き上げます。
サクサクのパン粉と、しっとりとしたサンマが見事に調和した料理になります。サンマに直接火があたらないので、とてもソフトな感じに仕上がるんですね。
おっと、料理のことになると筆が止まらないので、これくらいにします。


■ CCライセンスがついた作品を利用するときに注意しなければならないこと

ただ、CCライセンスのように、「権利者があらかじめ利用許諾をしているコンテンツを利用する」といっても、本当に権利者が利用許諾をしているのか、というのは実は簡単には確認できません。
第三者が、ある人のコンテンツを違法にコピーした上で「商用利用可能」として公開をしている可能性も否定できないからです。
注意してください。
実際にそのようなケースが裁判になったことがあります。
詳細は「著作権フリーの写真だと思って使用したら20万円の損害賠償になった実例」の記事を参照してください。
もっとも、怪しげなフリー素材サイトではなく先ほど紹介したCCライセンス作品を検索するページなどで検索した素材であれば、まあ安心と言えるかもしれません。


■ まとめ

・ コンテンツを無償で利用できるパターンはいくつかあるが、まずはCCライセンスを付した作品が使えないかを検討するとよい。
・ CCライセンスには6つの種類がありそれぞれ使用条件が異なるが慣れれば簡単。
・ CCライセンスを使いこなせれば、利用できるコンテンツは格段に広がる。