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弁護士の日常

どんな弁護士を選んだらいい?

柿沼太一 柿沼太一

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「弁護士・法律事務所のイメージに関するアンケート調査結果のお知らせ」という記事を読みました。
ソースは、法律事務所向けコンサル会社が実施したアンケートのようです(詳細はこちら)。
なかなかおもしろい内容でしたので、感想を。

■ 弁護士費用の相場観

知人に貸した300万円の回収を弁護士に依頼し、300万円全額回収できた場合の弁護士費用の相場はいくらぐらい(回収額300万円の何%ぐらい)だと思いますか、あなたが思うもっとも近い金額を選んでください

というアンケート調査に対する結果がこれ。

・30万円(約10%) 64.2%
・45万円(約15%) 12.5%
・60万円(約20%) 17.6%
・90万円(約30%) 3.8%
・120万円(約40%) 1.8%

http://www.bengoshihiyo.com/research/20150828-2.htmlより引用

http://www.bengoshihiyo.com/research/20150828-2.htmlより引用

ご存じの方も多いと思いますが、弁護士費用については、昔は日弁連が統一の「報酬規定」を定めていました。
しかし、平成16年4月1日から「報酬規定」が廃止され、各弁護士、法律事務所が自由に弁護士費用を定められるようになったのです。
もっとも、現在でも、この旧「報酬規定」によって弁護士費用を定めている事務所はかなりあります(うちの事務所も、基本的には旧「報酬規定」の基準を採用しています)。
この、旧「報酬規定」を当てはめると、300万円の請求をする場合、着手金が24万円、報酬金が48万円ですので、合計して弁護士費用は72万円になります。

先ほどのアンケート結果では、最も回答数が多かったのは「30万円」の64.2パーセントですから、実に2倍以上の違いがあります。
このアンケート結果を見る限り、一般の人が考えるよりも、弁護士費用はかなり高いということになります。

■ 弁護士費用は安ければ安いほどいいのか?

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なので、弁護士を探す際に、複数の弁護士事務所のサイトを比較して、価格ドットコムのようなイメージで、一番費用が安い弁護士を選ぶ人もいるでしょう。
ただ、率直に言って、値段だけで弁護士を選ぶのはお勧めしません。
なぜなら、弁護士費用の高い安いと、その弁護士の能力はあまり関係がないからです。

良心的な費用ですばらしい仕事をする弁護士はたくさんいますし、しょうも無い仕事しかしないのに、ぼったくる弁護士は、それ以上にたくさんいるのです。

なので、問題は、弁護士費用が「高いか低いか」の判断が難しいということではなく、「この弁護士に、これだけの費用を支払って、自分の事件をゆだねる価値があるのか。」という判断が難しい、ということです。

たとえば、仮に私がトラブルに巻き込まれて弁護士さんに代理人を依頼する場合、提示された弁護士費用が安いか高いかは、ある程度容易に判断ができます。それは、私が弁護士費用の相場を知ってくるからではなく(それもありますが)、依頼しようとする弁護士の能力を、ある程度正確に判断できるからです。

でも、一般の方はそうではない。
ではどうすれば、よい弁護士を見分けられるのでしょうか。

まず一つの答えは、「弁護士バッチの色を見ろ」です。
弁護士バッチは通常金メッキなのですが、弁護士経験が長ければ長いほどメッキがはがれてきますので、適度にメッキがはがれているバッチの人がいい、あまりにピカピカの人は経験が浅いので避けた方がいい。

・・・・・・・というようなことはよく言われているのですが、新人弁護士でも、あえてバッチを小銭入れに入れて持ち歩き、メッキをはがすという強者もいるので、全く参考になりません。

■ とにかく法律相談をしてみるべし。

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答えは簡単でして、「これと思った弁護士(できれば複数の弁護士)に、とにかく法律相談をしてみるべし」ということです。
ネット上の広告や、テレビ、ラジオなどの広告だけで、その弁護士の能力を判定するのは、ほぼ不可能です。
しかし、弁護士に実際に会って法律相談をすれば、その能力や、自分との相性はかなりの程度判断できます。
見るべきポイントをいくつかあげると、

  • まず、よく話を聞いてくれるか
  • その上で、問題点を的確にピックアップしてくれるか
  • 問題点に対する現時点での見解と、今後の見通しについてわかりやすく説明してくれるか
  • 具体的なアクションを提示してくれるか
  • 前向きな姿勢で取り組もうとしているか
  • などです。
    実際に複数の弁護士に法律相談をしてみればわかると思いますが、弁護士によってかなりの差があります。
    驚くこと間違いなしです。
    実は、弁護士にとって、初めて会う依頼者の方からの法律相談はとても難しいし、緊張するものなのです。
    限られた時間内に、初めて接する事案の内容を聞き取り、問題点を抽出して、的確な見通しを立て、打ち手を提示するというのは、ベテランの弁護士でも相当の集中力を要しますので、これは当然のことだと思います。
    私も未だに緊張します。
    であるが故に、法律相談は、弁護士の能力の差が非常に出やすいのです。

    なので、いい弁護士を見つけようと思ったら、実際に法律相談を、できれば複数の弁護士にしてみることです。
    どのような美辞麗句で広告をしていても、法律相談はごまかせません。

    *ちなみに、このエントリ冒頭の写真は、私の心の底にしまってある「困ったときに相談すべき弁護士リスト」の最上位にいる弁護士のバッチです。渋い色ですね。