STORIA法律事務所の弁護士による会社法講義レジュメ
■ 企業法務に役立つ会社法解説
本会社法解説レジュメ集は、STORIA法律事務所の弁護士菱田昌義が、もともとは法科大学院で担当している会社法ゼミ用に作成したものです。ゼミでは、伊藤靖史ほか「リーガル・クエスト会社法<第3版>」(有斐閣・2015年。以下「LQ」といいます。)の副読用として配布しました。 大学院生の方からデータ配布の希望から寄せられたため、今般、広く一般に公開することにしました。本レジュメ集が、皆様にとって会社法を理解する一助になれば幸いです。
本レジュメ集では随所にLQへのリファーを設けていますので、まずLQの該当箇所を一読した後で、本レジュメ集を読むことをおすすめします。また、本レジュメ集の脚注には、発展的論点と著作者の私見を書いています。なお、大学の期末試験等の各種試験においては、①会社法の基本的な仕組み、②条文引用、③制度趣旨の理解が何よりも重要だと思います。会社法学習者の方は、まずは本文を理解した上で、余力のある方のみ脚注も見てみてください。
【ご利用にあたっての注意事項・免責】
1 本レジュメ集は、平成29年10月時点の法令・基本書をもとにしています。その後の法改正等は原則として反映していません。①民法改正が会社法に与える影響、②近々予定されている会社法改正に関する議論(法務省「会社法制(企業統治等関係)の見直しに関する中間試案」ご参照)、③最新の判例・裁判例等については、適宜、基本書等を利用してください。
2 内容については正確を期すよう努めています。しかし、講義時に補足説明をすることを前提に作成したレジュメであるという性格上、参考資料としてのご利用に留めていただき、正確な議論については基本書等をご参照ください。
3 コンテンツの著作権は、弁護士菱田昌義 に帰属します。本レジュメ集の一部または全部の無断転載、転送、再編集などを行うことはお控えください。
■ 企業法務に役立つ会社法解説 ~目次~
【目 次】
00 統合ファイル(平成29年10月1日版) (表示・ダウンロード)
01 機関設計入門・参考文献一覧 (表示・ダウンロード)
会社法入門、機関設計、公開会社と非公開会社、大会社と非大会社、機関相互の関係、社外取締役、監査等委員会設置会社02 株主総会総論 (表示・ダウンロード)
株主提案権、議題と議案、手続的動議・実体的動議、濫用的な株主提案、議事整理権・説明義務、議決権行使、利益供与03 株主総会決議の瑕疵 (表示・ダウンロード)
株主総会決議取消しの訴え、訴えの利益・原告適格・出訴期間、株主総会決議無効確認の訴え、株主総会決議不存在確認の訴え、株主総会決議における特別利害関係人、裁量棄却04 取締役会決議 (表示・ダウンロード)
業務執行の決定と業務の執行、重要な財産の処分、多額の借財、最判平成21年4月17日05 取締役会決議の瑕疵 (表示・ダウンロード)
特別の利害関係を有する取締役、代表取締役の解任決議、取締役会決議を欠く行為の効力(心裡留保類似説)06 役員等の会社に対する責任 (表示・ダウンロード)
会社法423条、善管注意義務違反(結果債務と手段債務)、法令違反(最判平成12年7月7日)、監視義務違反、忠実義務違反、経営判断の原則、経営判断の原則の射程外、一元説と二元説07 略説不法行為法総論 (表示・ダウンロード)
民法709条、権利侵害、故意過失、損害、因果関係08 競業取引規制 (表示・ダウンロード)
会社法356条、競業取引、自己又は第三者のために(計算説)、会社の機会の奪取、従業員の引き抜き、退職後の競業行為制限09 利益相反取引規制 (表示・ダウンロード)
会社法356条、直接取引、間接取引、名義説、承認を受けない取引きの効力(相対的無効説)、直接取引と間接取引の具体例10 報酬規制 (表示・ダウンロード)
会社法361条、俸給についての株主総会の決議方法(総額枠決定方式)、退職慰労金、報酬の減額・無報酬化の可否、退職慰労金の不支給決議11 役員等の第三者に対する責任 (表示・ダウンロード)
会社法429条、法定責任説、直接損害と間接損害、事実上の代表取締役、名目的取締役、登記簿上の取締役、会社法429条2項、虚偽記載12 法人格否認の法理・会社法350条 (表示・ダウンロード)
法人格否認の法理(形骸化・濫用)、会社法350条(会社の第三者に対する責任)13 会社業務の適正確保の制度 (表示・ダウンロード)
違法行為の差止め請求権(会社法360条・385条)、株主代表訴訟(会社法847条)、持株会社、特定責任追及の訴え(多重代表訴訟)14 有利発行と第三者責任 (表示・ダウンロード)
有利発行、取引相場のない会社、「特に有利な金額」の意味、最判平成27年2月19日、公正な価格、有利発行と第三者責任15 新株発行の差止め・無効の訴え (表示・ダウンロード)
募集株式の発行の差止め(会社法210条)、新株発行無効の訴え(会社法828条1項2号)、主要目的ルール、会社支配権維持目的と資金調達目的、新株発行不存在確認の訴え(828条)16 事業譲渡 (表示・ダウンロード)
事業譲渡と重要な財産の処分の違い、最判昭和40年9月22日、「一定の営業目的のため組織化され、有機的一体として機能する財産の譲渡」の意味、競業避止義務17 会計帳簿の閲覧請求 (表示・ダウンロード)
会計帳簿、計算書類、会計帳簿閲覧請求権、会社法433条2項3号「請求者が実質的に競争関係にある事業を営み又はこれに従事」の意味、検査役選任【平成29年10月1日版】