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弁護士の日常

お金を返さない人から返してもらうには?

杉浦健二 杉浦健二

STORIA事務所は2015年3月にできた事務所なんですが、その3月にラジオ関西に出演してきました。
「いちご白書をもう一度」のばんばひろふみさんの番組で「知性の玉手箱」というコーナー。

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緊張で背筋が伸びています

■お金を返さない人から返してももらうには

ラジオではお金を借りても返さない人からどうやって返してもらうかについて話しました。
「そのうち返す返す」と言うばかりで、本当はお金もってるのになかなか返さない人っていますよね。こういう人からどうやって返してもらうか。ここでは【他人に命令されたり指示されたことは破りたくなるが、自分で決めたことは守ろうとする法則】を活用します。

■キーワードは「能動性」

子供のころ、夏休みの宿題ってありましたよね。あれがお盆過ぎてもまだ手を付けられてないと。

自分でも「ぼちぼち始めないとやばいなあ」と考えてそろそろやろうか、と机に座ろうとした瞬間に母親から「あんた宿題早くやりなさい!」と言われたら「いまやろうと思ってたのにー!」となってとたんにやる気なくなりますよね。

人は他人から一方的に決められたことには反発したくなりますが、自分自身で決めたことなら嫌なことでもやろうと思います。
ポイントは、相手に自分で決めさせること。たとえば弁護士が支払いを督促する場面でいうと

相手「約束どおり支払えなくて,すみませんでした」
 弁「いつお支払いになられますか?必ず支払えると考える期限を今ご自分で決めて下さい」
相手「20日が給料日なので、翌日の21日なら大丈夫だと思います」
 弁「分かりました。あなたの決断を尊重して、今ご自分で決められた21日までお待ちします。でも、もしその日までに入金が確認できなかった場合は法的な手続をとらざるを得ませんので、お忘れないようにお支払下さいね」
相手「わかりました。すみませんでした」

相手に自分で期限を決めさせています。
こちらから「絶対○日までに払え!」と言うよりも、相手に決めさせた方が、実際にきちんと払ってくることが多かった経験に基づくやり方です(いつもうまくいくわけではありません)。

結局、人から一方的に言われたり命令されたりしたことって、反発したくなるものなんだと思います。言われた内容が、正論であればあるほど・・

キーワードは「能動性」。相手に自ら決めさせる形を大事にする方がよいのですね。

■裁判でも判決より和解の方が払ってくる可能性が高い

これと似た話が裁判でもあります。
こちらがほぼ勝つ裁判で判決をもらってもいいケース。判決は、いわば裁判所から命令されるもの。これに対して和解は、双方が合意して交わすもの。

和解は例えしぶしぶであっても自ら手を出して握手してる以上、相手にも最低限の能動性があるわけです。なので和解の方が、実際に後で内容が守られる可能性が高い。とんずらされる可能性が、判決の場合よりもずっと低い感覚です。

よって相手の資力に疑問がある場合は、多少金額を譲っても、判決より確実に回収できる可能性が高い和解を選ぶってのはよくある話だったりします。
相手にいかに気分よく能動的に支払ってもらうかがポイントという話でした。

その他のエピソードも含めた当日の生放送音声(15分間)はこちらからお聞き頂けます
ラジオ関西さんのPODCASTリンク
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